今月は2つ嬉しいニュースがありました。
まず1つ目。日本教育工学会論文誌に、教育実践開発論文「大学初任者教員が悩みについて対話するオンライン環境を用いた実践と評価」が掲載されました。早稲田大学の大川内さん、東京大学の舘野さん(@tatthiy)、早稲田大学の福山さん(@fumituki85)、徳島大学の香川さん、田中さん、アクション・デザイン代表の加藤雅則さん、カウンセラーの上田純子さんと連名です。共著者のみなさま、実践にご協力頂いたみなさま、数々助言を下さったみなさま、粘り強いご査読を頂いた査読者のみなさま、ご支援頂いた全ての方々に御礼申し上げます。
着想から5年、研究着手から4年、実践から3年、論文投稿から1年…全てが遥か昔のことのように思えます。この論文では、最近の若手教員が抱える「不安」や「悩み」をいかに乗り越え、よりよいキャリアを築くかということが問題提起の原点でしたが、これは同時に当時着任して間もなかった私自身が、職業人生において抱えた課題でもありました。この論文で提示できた「答え」は些細なものでしかないかもしれませんがが、私自身のこれまでの5年間と重ね合わせ、非常に感慨深い仕事となりました。
2つ目。日本生産性出版より、「職場学習の探究 企業人の成長を考える実証研究」が出版されました。私は本書の第10章「ビジネスパーソンの海外経験がキャリア成熟に与える影響」を担当させて頂きました。この本は、東京大学 大学総合教育研究センター 中原先生が、学際情報学府でひらいているゼミに所属する大学院生による共著です。足掛け2年弱、これも長い道のりでした。私自身、大規模調査の分析をしたことは始めてで、調査法や統計分析など(コソコソと隠れて…)改めて勉強し直しながらの執筆となりました。
私の章では、ビジネスパーソンが留学や海外赴任などの海外経験を経ることで、将来に向けてのキャリア発達への意識(キャリア成熟)が高まるのか、について調査分析を行いました。この問いも、実は私にとっては自らの経験に照らし合わせ考えた部分が多分にありました。私は2年前に客員研究員として海外留学し、このことが自身のキャリア発達にとって大きな影響を与えたと考えています。執筆には苦労も多くありましたが、自身の経験を振り返りながらの貴重な体験となりました。
Amazon.co.jp: 職場学習の探究 企業人の成長を考える実証研究: 中原 淳, 木村 充, 重田 勝介, 舘野 泰一, 伊勢坊 綾, 脇本 健弘, 吉村 春美, 関根 雅泰, 福山 佑樹, 伊澤 莉瑛, 島田 徳子: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4820119974
そうこうしているうちに、明日から平成24年度です。私自身、東大に来て6年目となり、区切りや転機を感じはじめるようになりました。来年度は新しい業務に研究、執筆活動と目白押しで、今から善くも悪くも胸騒ぎが止まりません…。これまでと変わらず、一歩一歩頑張ってゆく所存です。
引き続き来年度も、どうぞ宜しくお願い致します。