��月に入り、暖かな日が続いています。昨日は、行きつけの飲み屋で催された花見に出かけました。公園で見上げる桜。昼間の宴会。ブルーシートに落ちる花びら。春を思い出すきっかけに溢れています。
春は冬と夏の間にあるだけで、そんな特異な季節でもないはずですが、演出がうまいことにかけては、ほかの季節に群を抜いているでしょう。それが春の特異さでしょうか。
そういえば、この春の東京大学公開講座のテーマは「特異」。(わざとらしいのは覚悟の上)残念ながら定員に達したため、参加申し込みは締め切られました。数ヶ月後に、東大TVで公開されますから、そちらでお楽しみください。
こういう機会に時として、普段おつきあいのない方と仕事の話をします。普段の自分を振り返るいい機会ではありますが、「大学で教育工学を研究しています」との答えは、相手の理解が難しいフレーズです。そのため最初から「教育工学」という単語を使わないように説明しますが、もし話の途中に「やっぱりパソコンやNintendo DSを勉強に使った方が、これまでのやりかたよりも効果的なんですね?」と問われたとき、即答することは(私には)少々困難です。あまりに多くの前提条件があり、それらをクリアしてはじめて効果的なこともある、という答えしか(私には)できないので、相手は、奥歯に物が挟まったような言い方をする人だな、という印象を持つでしょう。
学べば学ぶほど奥が深く、分かると同時に分からないことも増える。これが人文系に限らない、科学の面白いところだとは思いますが、「いやだから科学って面白いんですよ」と言い直したとしても、社会は本当に納得してくれるのでしょうか? 少々不安なところです。