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このサイトは重田勝介の個人サイトです。主に日々の活動について紹介しています。重田は教育工学とオープンエデュケーションの研究者で、北海道大学に勤務しています。詳しいプロフィールこちら
Katsusuke Shigeta Ph.D (Human Sciences at Osaka University) , a researcher conducting educational technology & open education research at Hokkaido University, Japan.

2013/03/01

「オープンエデュケーション・ワークショップ」を振り返って

先日24日に、都内で「オープンエデュケーション・ワークショップ『オープンな教育を創って学ぼう!』」を開催しました。

The Shigeta Way: 【おしらせ】オープンエデュケーション・ワークショップ「オープンな教育を創って学ぼう!」開催!!
http://shige.jamsquare.org/2013/02/blog-post.html



そもそも私がこのワークショップを開きたいと思った理由は、様々な垣根を越えて、いろいろな方とオープンエデュケーションをテーマに、話し合う機会を作ることでした。私は普段、大学で教育のオープン化の仕事に携わっており、大学の「中」の人間としてオープンエデュケーションについて話す機会もありますが、その立場故、「大学はこれからどうなる?」「大学はいま何をすべきか?」というような、大学寄りの考察ばかりに陥ってしまうことに悩んでいました。

オープンエデュケーションは大学だけが取り組む活動ではなく、社会の様々な人たちが取り組める、むしろ取り組むべき活動であると私は考えています。また、オープンエデュケーションがもたらす恩恵も大学のコミュニティに属する人たちだけでなく、むしろ社会の様々な人たちが享受できるものだと考えています。よりフラットに、透明な目線でオープンエデュケーションを捉え考えるために、私自身が大学という「立ち位置」を離れて、様々な人たちとオープンエデュケーションをテーマに語り合うことが、私にとって今回のワークショップを開いた大きな目的です。


ワークショップ当日、計27名の方々にお集まり頂きました。
第一部では、オープンエデュケーションに関する「基礎知識」を整理するため、私から短いレクチャを行いました。さまざまな事例をもとに、オープンエデュケーションとは何なのか、未来の教育に対してどのような可能性や課題を持っているのかについて、解説を行いました。(私が当日使いましたスライドは、こちらに置いてあります)

第二部では、オープンエデュケーションを「創ることで学ぶ」活動を行いました。関西学院大学の武田さん・大阪大学の森さんがファシリテータを務められ、「デザイン思考」の方法をベースにしたグループワークから、オープンエデュケーションを利用する学習者の探究ストーリーを作りました。オープンエデュケーションの活動を「提供する側」「利用する側」の両面から考え、実際の学習シーンにあてはめてみることで、オープンエデュケーションの持つ可能性や限界について、手を動かしながら考える活動を行いました。

グループごとにオープンエデュケーションを利用して、学びやキャリアを成功させる人物像を「ペルソナ法」を使いながら描き、用紙にまとめ、最後にグループごとに発表をして頂きました。私自身が言うのも何ですが、大変面白い活動でした。参加者の多くの方々にも活動を楽しんで頂けたようでした。

ワークショップを終えて、改めて強く感じたのは、「学びは生活の一部である」ということです。私自身が解説をしたオープンエデュケーションのあり方も、第二部で参加者のみなさんが描いた「学習者の姿」も、学校や大学などの教育システムに縛られることなく、様々な学びの機会を上手に生かしながら、自らの知識や技能、学びの環境をデザインしてゆくことを目指しています。

学校は学校、大学は大学、普段の暮らしとは切り離されたものという捉え方から、一旦離れてみるべきなのかもしれません。人は生きながらにして一生、学び続けます。その「学び」が教育システムの中に閉じ込められたり、区切られたりする必然性はありません。もちろん、今ある教育の仕組みは、長年に渡る試行錯誤や改善の中で確かに築き上げられたものであり、大きな価値があるものです。

一方で、社会のあり方がめまぐるしく変化する現在では、得てして教育の「仕組みづくり」が時代の変化になかなか追いつけないことも事実です。社会と教育システムの間のギャップを埋める、ギャップに何か新しいものを挟み込むことで、いまある教育の仕組み価値を高めることもできます。このような「隙間つなぎ」になるものが、オープンエデュケーションなのかもしれません。

私自身にとっても、多くの発見がありました。また近いうちにこのような会を開きたいと思います。ご興味をお持ちの方、またぜひ、お集まり下さい。