2014/06/10

バーベキューと着火剤

ここ最近、「仕様書を書く」という新しいスキルを身に付けつつある。なぜか立て続けにそういう仕事に関わることになり、下手ながら一生懸命書いている。相変わらず不向きな作業ばかり回ってきている気がするが、めげないようにしたい。
週の前半は打ち合わせが多かった。年度が替わってから、自分の部屋に一日居たことがないのではないか。カバンを背負ってあちこちの建物を歩き回っている。そんな言葉があれば、立派な「学内ノマドワーカー」である。
週の後半は東京出張。New Education Expoのパネリストとして登壇。当日のスライドはこちら。上京の後はとんぼ返りで函館高専へ向かい、下郡先生と共同研究の打ち合わせ。面白い内容になりそう。夜はお気に入りのラビスタ函館にて温泉。極楽である。
週末は札幌にとんぼ返り、2冊目の本を仕上げる。少々無理なスケジュールを組んでしまったが、なんとか予定通りに進んでいる。奇跡である。しかし、もう締切はすぐそこ。必死である。

New Education Expoのパネルでお話をしたメタファーを、我ながら気に入っている。オープンエデュケーションは炭火の湿ったバーベキューみたいなもので、MOOCは着火剤だ、という例えである。ここ10年ほど、火が付かない肉が焼けないとすったもんだしていた矢先、突如とんでもない火力の着火剤が放り込まれて、燃えさかる炎を呆然と見ているのが今の状況ではないだろうか。火の勢いが強すぎて、燃えているのが炭火なのか着火剤だけなのかよく分からないのも問題である。
私の仕事はバーベキューの炭火をしっかりと起こして、みんなで美味しいお肉を食べられるようにすることである。新しい着火剤を投げ入れたり、着火剤で直接お肉を焼いたりすることには興味がない。問題は、そろそろ着火剤が切れてきたことである。ここいらで気合いを入れ直して手元の内輪で扇ぐのもよし、火が起こったエリアで試しにお肉を焼いてみるのもよし。関係者の皆さんと共に頑張りたい。