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このサイトは重田勝介の個人サイトです。主に日々の活動について紹介しています。重田は教育工学とオープンエデュケーションの研究者で、北海道大学に勤務しています。詳しいプロフィールこちら
Katsusuke Shigeta Ph.D (Human Sciences at Osaka University) , a researcher conducting educational technology & open education research at Hokkaido University, Japan.

2010/01/20

海外研究へ向けて:メンタル

この「海外研究へ向けて」のククリを考えたとき、やはり書いておかなくてはと思ったのが「メンタル」、要は留学中の心の持ちようです。

私の留学生活も残り2ヶ月弱になりました。今は論文というか、研究成果をまとめた読み物を書いていていますが、これがうまいことまとまれば区切りはつきそうです。それさえまだ実現していない段階でいろいろと物を言うのはちょっと気が引けますが、帰国後まで伸ばしてしまうとバイアスがかかってしまいそうなので、今のうちに考えておきます。

まず、ご参考までに私の今の状況を大まかにお伝えします。私のポジションは「客員研究員」で、私は日々ゼミや授業に出るわけでもなく、自分の研究・調査に関係することばかりしています。人に会ったり、調べ物をしたり、書物をしたり、、要はフラフラ過ごしているとも言えますが(笑

次に生活パターンについて書きましょう。大体夜中の1時就寝、朝8時起床(米国流で考えると相当遅い)。10時頃に家を出て、11時前にオフィス着。午後5時過ぎまで大学におり、6時には家について夕食。その後日本の仕事(ビデオチャット会議・メール処理など)をしたり、こちらの研究の続きをしたり、それ以外はゆっくり過ごして寝ると。そんな流れです。

日本での生活と比べると、まぁなんとものんびりしています…今から帰国後が不安です。

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一般的に、留学をすると生活環境の変化のため、さまざまな心的変化が起こると言われます。いわゆるカルチャーショック・ロールショックです。カルチャーショックはご存知の方も多いかもしれませんが、私は客員研究員などファカルティとして赴任する場合、ロールショックが問題になりやすいのではと感じています。フルブライトのウェブサイトに詳しい説明があります、是非目を通してみてください。

日米教育委員会 アメリカ入国後の案内 アメリカ生活への適応
http://www.fulbright.jp/study/res/life.html#C

ロールショックについては、以下のように書かれています。

ロール(社会的役割)ショックとは、あなたが日本で所属するグループ、団体(大学、会社、故郷など)がアメリカではほとんど関係ないと気付くことを意味します。たとえば、あなたが日本で名門校を卒業していたり、あるいは有名な大企業から来ているとしても、それはアメリカでは何の意味もなしません。あなたは単に一日本人学生とみなされ、学業や個人生活を通じてアメリカ人の間で新しい役割やアイデンティティーを築いていかなければならないのです。



学生留学でも近いことがあるのかもしれませんが、ファカルティの立場での留学の場合、これまで日本で築いてきた物事がそのまま認められるとは限りません。渡航前からの知り合いもいるかもしれませんが、ほとんどの人とは初対面で、「私が誰で、何を、どんな目的でなそうとしているか」を説明しないとただの「何をしに来たのかよく分からないが、暫くそこにいる人」になってしまいます。

特に私の場合、職場は30人強の大世帯です。(まだ一対一で挨拶できていない人もいます)もしかすると私の置かれている立場は特殊かもしれません。閉じられた空間にではなく、職員の皆さんが働いている職場に机を頂いています。フィールドワークにはぴったりですが、静かな場所でないと考えられない、という人にはちょっと厳しい環境かもしれません。

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…どうもこの問題と対処について一般的に語ることは難しそうです。なので今日のところは、私が考えて実行していることを書いて、一旦締めたいと思います。それは、

・自分はここでなにをしたいのか、という「ロール」を再定義し、
・それに相性のいい「私は誰で、何をしてきたか」を簡潔に説明するストーリを編み出し、
・それらをセットにしたセンテンスを日頃から「隠し持って」おき、機を見て、絶え間なく伝えていく

ことです。

加えて自分なりの「貢献」を考えて実行するようにしています。英語もいまいちだし大した力にならないのですが(笑)、ちょっとした気遣いとか、お手伝い位のものです。たまに話をできる機会があればできるだけ引き受ける。ちょうど昨日はヨーロッパとビデオ会議でつないだワークショップがあり、そこで20分ほど話をしました。準備は少し大変でしたが、自分のことを知ってもらえるきっかけになりますし、目に見える形での「参加」ができる、またとないチャンスでした。

また機会をみて、これについては書きます。