2週間ほど、更新をお休みしました。最初の一週間は、前半はこちらでの研究の文献調査に充てました。しかし後半は、学費値上げ(州内学生は25%値上げ!)に対抗して起こった学生ストライキでUCBは大混乱。金曜日には学生が校舎を占拠し、学内の警察に加えて地元の警察も出動する騒ぎになり、私の部署も業務中止になりました。
カリフォルニア州はシリコンバレーもあり一見明るいイメージですが、経済状況は全米でもフロリダ州などと並んで最悪の状況で、失業率も11月時点で12.5%に悪化。UCBも美術館の改築を延期したり、私の部署ではオフィスのゴミ回収や掃除のサービスの休止(つまり清掃従業員の解雇)など、UC System全体含め、いろいろな所に影響が出ています。日本も大変なようですが、米国も状況は深刻です。
後半の一週間は、こちらでは感謝祭の週で木曜日から4連休。YWCAで英語を習っている先生のお宅に伺い、七面鳥など米国の伝統的な感謝祭を祝う料理をごちそうになったり、家で久しぶりにSTAR WARSシリーズを見直したりなど、ゆっくりと過ごしました。
その合間にも、日本で進めている研究の実証実験の準備を進めました。先日2回目のワークショップを行いましたが、私が帰国できなかったため、日本の研究協力者の方々に中心となって進めていただきました。研究協力者の方々、そしてワークショップにご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
今週末で、滞在期間のほぼ半分を消化した計算になります。出国前に滞在プランを立てていましたが、消化できていないタスクもいくつかあります。私の滞在目的は主に二つあって、一つはオープンな教育リソースの再利用の研究、もう一つはICTを活用して教員を支える組織の研究です。1つ目はこちらで先行事例を調査して日本に持ち帰りますが、2つ目は滞在中に論文とまではならなくても、何かの形にまとめたいと考えています。
あと3ヶ月、早いものです。もっと時間があればと思うこともありますが、性格上のんびり過ごしてしまうだけでしょう。残りの期間、自分を追い立てながら過ごすことにします。
重田勝介のページ・オープンエデュケーションと教育工学
Katsusuke SHIGETA・Open Education and Educational Technology
2009/11/29
2009/11/15
海外研究へ向けて:住まい探し
昨日、UCBで客員研究員をなさっている山田さんのご自宅に伺いました。ご自宅にて、同じく研究員の渡部さんと初対面。皆さんのお子さんたちと一緒に、とても美味しい晩ご飯を呼ばれました。 楽しい時間をありがとうございました!
そこで話題に上った一つが、住まいのこと。お二人のお話を伺っていても、住まい探しには苦労されたようでした。私も足掛け2ヶ月ほどの時間をかけ、試行錯誤しながらようやく今のアパートを見つけました。UCB周辺限定のローカルな情報となりますが、こちらでの住まいの探し方を3パターンご紹介します。
■パターン1:大学のサービスを利用する
たいていの大学にはいわゆる「Housing Office」があり、学生や研究員の住宅の斡旋をしています。そこに問い合わせて、大学が管理運営している住宅、またはサバティカルなどで一時的に家を空ける教員の住宅などを、斡旋してもらうことができます。
Cal Housing, UC Berkeley(UCBの住居紹介サイト)
http://www.housing.berkeley.edu/housing/
Living at Cal(同上、申し込み要項が記載されている)
http://www.housing.berkeley.edu/livingatcal/
Living at Cal - UVA West(いわゆるUC Village、Graduate ResearcherやVisiting Scholarが住めるアパート)
http://www.housing.berkeley.edu/livingatcal/uva_west.html
私は5月にUC Villageに入居を申し込みましたが(Application Fee 30ドルが必要、郵便局から国際送金)、一杯だったのでWaiting Listに登録されました。暫く待ってみたものの、結局空きが出ず断念。UC Villageは比較的築年数も浅く、大学からも近くバスも頻繁に走っているので、とても便利なようです。着任のめどがついている方は、ぜひ早めに申し込んでチャレンジしてはいかがでしょうか。
■パターン2:日本人向けサービスを利用する
バークレーには日本人の研究者向けに住居を斡旋するS.S.INNというサービスがあり、こちらに数日滞在しながら物件を探すことができるそうです。私のお知り合いでも利用された方がおられました。
Berkeley(バークレー)研究者の為の宿泊/SSINN
http://www.ssinn.com/
また現地の不動産業者にコンタクトをとり、探すこともできます。
■パターン3:自力で探す
大学近辺の不動産の貸し主がインターネットで公開している情報から、自分で探すこともできます。こちらでよく使われるのがCraigslistです。住宅に限らず、家具や電化製品や車、あらゆる生活用品の売買情報を見ることができます。
craigslist: east bay classifieds for jobs, apartments, personals, for sale, services, community, and events
http://sfbay.craigslist.org/eby/
家を借りる場合は、この中の「Housing ->apts/housing」へ進むと、キーワードや希望地域から検索できます。例えば、UCB北隣のAlbany/El Cerritoから、家賃1500ドル/月以内、かつ2ベッドルーム(2LDKにほぼ相当)の物件だと、下のような結果に。個人の貸し主で出しているものだけでなく、地元の不動産業者の投稿もあります。
classifieds - craigslist
http://sfbay.craigslist.org/search/apa/eby/47?query=&catAbbreviation=apa&minAsk=min&maxAsk=1500&bedrooms=2&neighborhood=47
私の場合、UC VillageのWaiting Listから繰り上がるのを待ちつつ、上の条件で何件か問い合わせをした中から契約をしました。契約後には小切手(郵便局の国際送金)で契約金を送り、メールやFAXで契約書を取り交わします。
実際に行くことができないので、家の写真や間取り図をメールで送ってもらい品定めをします。私が助けられたのはGoogle Map/StreetViewでした。物件の外観や周囲の町並みの確認、駅やバスを使った通学のシミュレーションを自分なりにしてみて、交通の便がよく、条件と予算と釣り合う物件を探しました。
View Larger Map
��例:私のアパートの近所、El Cerrito Plaza周辺のStreet View)
そこで話題に上った一つが、住まいのこと。お二人のお話を伺っていても、住まい探しには苦労されたようでした。私も足掛け2ヶ月ほどの時間をかけ、試行錯誤しながらようやく今のアパートを見つけました。UCB周辺限定のローカルな情報となりますが、こちらでの住まいの探し方を3パターンご紹介します。
■パターン1:大学のサービスを利用する
たいていの大学にはいわゆる「Housing Office」があり、学生や研究員の住宅の斡旋をしています。そこに問い合わせて、大学が管理運営している住宅、またはサバティカルなどで一時的に家を空ける教員の住宅などを、斡旋してもらうことができます。
Cal Housing, UC Berkeley(UCBの住居紹介サイト)
http://www.housing.berkeley.edu/housing/
Living at Cal(同上、申し込み要項が記載されている)
http://www.housing.berkeley.edu/livingatcal/
Living at Cal - UVA West(いわゆるUC Village、Graduate ResearcherやVisiting Scholarが住めるアパート)
http://www.housing.berkeley.edu/livingatcal/uva_west.html
私は5月にUC Villageに入居を申し込みましたが(Application Fee 30ドルが必要、郵便局から国際送金)、一杯だったのでWaiting Listに登録されました。暫く待ってみたものの、結局空きが出ず断念。UC Villageは比較的築年数も浅く、大学からも近くバスも頻繁に走っているので、とても便利なようです。着任のめどがついている方は、ぜひ早めに申し込んでチャレンジしてはいかがでしょうか。
■パターン2:日本人向けサービスを利用する
バークレーには日本人の研究者向けに住居を斡旋するS.S.INNというサービスがあり、こちらに数日滞在しながら物件を探すことができるそうです。私のお知り合いでも利用された方がおられました。
Berkeley(バークレー)研究者の為の宿泊/SSINN
http://www.ssinn.com/
また現地の不動産業者にコンタクトをとり、探すこともできます。
■パターン3:自力で探す
大学近辺の不動産の貸し主がインターネットで公開している情報から、自分で探すこともできます。こちらでよく使われるのがCraigslistです。住宅に限らず、家具や電化製品や車、あらゆる生活用品の売買情報を見ることができます。
craigslist: east bay classifieds for jobs, apartments, personals, for sale, services, community, and events
http://sfbay.craigslist.org/eby/
家を借りる場合は、この中の「Housing ->apts/housing」へ進むと、キーワードや希望地域から検索できます。例えば、UCB北隣のAlbany/El Cerritoから、家賃1500ドル/月以内、かつ2ベッドルーム(2LDKにほぼ相当)の物件だと、下のような結果に。個人の貸し主で出しているものだけでなく、地元の不動産業者の投稿もあります。
classifieds - craigslist
http://sfbay.craigslist.org/search/apa/eby/47?query=&catAbbreviation=apa&minAsk=min&maxAsk=1500&bedrooms=2&neighborhood=47
私の場合、UC VillageのWaiting Listから繰り上がるのを待ちつつ、上の条件で何件か問い合わせをした中から契約をしました。契約後には小切手(郵便局の国際送金)で契約金を送り、メールやFAXで契約書を取り交わします。
実際に行くことができないので、家の写真や間取り図をメールで送ってもらい品定めをします。私が助けられたのはGoogle Map/StreetViewでした。物件の外観や周囲の町並みの確認、駅やバスを使った通学のシミュレーションを自分なりにしてみて、交通の便がよく、条件と予算と釣り合う物件を探しました。
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��例:私のアパートの近所、El Cerrito Plaza周辺のStreet View)
「日本版EDUCAUSE」のススメ
ワシントンからデンバーに移動し、EDUCAUSE2009に参加した。
2009 EDUCAUSE Annual Conference | EDUCAUSE
http://www.educause.edu/E2009
EDUCAUSEは、情報技術の効果的な活用を後押しすることで、高等教育の発展に寄与することを目的とした米国の非営利団体。毎年大規模なAnnual Conferenceを開き、全米の高等教育の広い意味での「情報化」に関わる教員・職員・企業が参加している。いわゆる「学会」とはちょっと違う。NECC(National Educational Computing Conference)の高等教育版、と考えればいいかもしれない。
実は昨年も参加していたのだが、今年のEDUCAUSEでは面白い現象があった。参加者が'#educause09'のタグでTweetし、「ここのセッション面白い」「もう会場満杯」「この発言をRT」などと情報交換をしていた。私も調子に乗って参加し、同じ会場の人と発表に関係する論文を探したり、感想を言い合ったりしていた。
期間を通じて、テクニカルなセッションより、いわゆる「文系」に近いセッションの方がつぶやきが多かったようだ。いわゆる実況ではなく、「このセッションのここがよかった」というような、互いの良質な経験を共有し合う雰囲気ができていた。規模の大きい学会だったが、1日に500ポストは超えていたように思う。自分だけで見て回るより、たくさんの目で楽しめるのはいい。普段仲間内で遊んでいるTwitterとはまた違った使い方を楽しんだ。
---
日本でも以前から、EDUCAUSEのような組織を作ろうとする動きはある。昨今の日本の状況を踏まえると、「日本版EDUCAUSE」は一日も早く立ち上げられるべきだ。
現状、日本にEDUCAUSEのような組織はない。EDUCAUSEは情報インフラの最新事情からごく普通のテクノロジを使った実践まで、情報技術の教育利用に関わるもの全ての受け皿になっている。自分自身を振り返って、偶然同じような取り組みをしている人たちを見つけて驚くことは多い。幅広く情報共有ができる場を設けて互いに学ぶ機会を作ることには、とても意味がある。
EDUCAUSEでは、「これは研究」「これは実践」のような「枠」はない。このことが日本でのEDUCAUSEの理解を妨げているのかもしれないが、かの地ではその垣根が低く、段差は小さい。日本でEDUCAUSEを作るなら、どの「枠」で囲うべきかなどどいう議論をする前に、「枠」を意識せず、教育機関や教育産業から人や情報を集めることから始めるべきだろう。EDUCAUSEのような組織は、「研究をどう実践に根付かせるか」「実践からいかに研究を生み出すか」というサイクル、ひいては「教育学」のサステナビリティとスケーラビリティを担保する土台になりうる。
---
実はEDUCAUSEはワシントンDCにオフィスを持っており、ロビー活動を展開している。ロビー活動の全てがいいものとは思えないが、少なくとも政治との対話のチャンネルを組織立って用意することは、自分たちの政治や社会からの「見え方」を知るためにも役に立つ。
「私たち」にとって#shiwake3はいい経験だった。研究者と「社会」の間の対話や交流に力を注ぐことは、きっとこれからの学問と社会のために意義のあることだろう。
2009/11/05
海外研究へ向けて: 諸手続き、いわゆるペーパワーク
海外研究を目指し奨学金など資金調達のメドがついたら、次は晴れて留学の準備が始まります。喜びも束の間、ここから鬼のようなペーパーワーク(書類作り)が待っています。受け入れ先の確定、留学のためのビザ申請です。
※今回は私の経験上、客員研究員の場合に限った話になります。ご容赦ください。
■受け入れ先の確定
既に留学先が確定している場合、先方にその旨伝えます。明確に伝えなくてはならないのは、滞在希望期間と資金援助についてです。先方からすれば、受け入れ態勢を整えるために、滞在時期を確定させなくてはなりません。また一般的に、先方の費用負担は発生しないと思いますが、念のため先方の費用負担はない旨伝えておいたほうが親切です。
加えて、受け入れ先に受け入れ承諾書を発行してもらいます。これは次のビザ申請で使います。フォーマットは特にないと思いますが、見本になるものを先方に送りそれを元に作成してもらうほうがスムーズです。受け入れ期間のレターヘッドが付いたものがいいでしょう。
受け入れ先がまだ確定していない場合、受け入れ先を探さなくてはなりません。前もって計画的に、国際学会などで知り合って「仮の話」として相談をするという手もありますし(なかなか難しいと思いますが)、知り合いの方につないで頂くということも可能と思います。私の場合、後者でした。12月に採択の後、決まったのが3月でしたから、こちらもできるだけ早めに動くに越したことはありません。
英語のメールでやりとりが続くと思います。語学が堪能な方はいいですが、私のように何かと怪しい場合、先方との意思疎通に齟齬が起きないよう、チェックをしてもらうほうがいいでしょう。
■ビザ申請
米国に客員研究員として赴任するなら「交流訪問者ビザ(Jビザ)」、博士課程入学など学生として留学するなら「学生ビザ(Fビザ)」を申請します。必要書類などについては以下を参考にして下さい。それぞれ所定のフォーマットがあり、同じく用意されているチェックリストを元に準備をします。
Jビザの説明:交流訪問者
http://tokyo.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-niv-j.html
ビザ発行にあたり、事前に米国のCIES(Council of International Exchange of Scholars)などの政府機関から発行された、DS-2019と呼ばれる書類が必要です。書類が準備できたら面接です。警戒物々しい米国大使館(東京・赤坂)に出向きます(要予約)。家族で渡航する場合、家族も面接を受けます。面接とはいっても、どこかの部屋に案内されるのではなく、窓口で簡単な質問をされるだけで、少し拍子抜けですが。
DS-2019の発行や大使館での面接は、フルブライト事務局のようなFundingをしてくれる機関から助言があります。こちらでも情報を持っておくことも大事ですが、慣れている方々の指示に従って粛々と進めるのがいいかと思います。蛇足ですが、パスポートの有効期限も確認して下さい。
私の場合、この作業を2009年4月から6月の間に行いました。
またこれは出国後になりますが、DS-2019に「Travel Validation(旅行証のようなもの」をもらうのを忘れないようにして下さい。これは書類内に所定欄がありCIESにサインをもらうことで、渡航中に国外を行き来する許可が下ります。これがないと滞在期間中、国外に出たときに再入国ができなくなります。出る際にはDS-2019は必要ありませんので、下手をすると気がつきません。実際にこのことを知らず、米国の入国審査で止められた方の話を聞きました。
病気やけがなど急な用事で帰国することもあるでしょうから、渡航後にすぐ手続きを進めた方が安心です。この処理は渡航後、CIESにメールか電話で依頼をしてから、ワシントンDCにあるCIESにDS-2019を送れば、サインをして戻してくれます。送るときにはFedExなど配達証明のついた封書で送ったほうが無難です。
※今回は私の経験上、客員研究員の場合に限った話になります。ご容赦ください。
■受け入れ先の確定
既に留学先が確定している場合、先方にその旨伝えます。明確に伝えなくてはならないのは、滞在希望期間と資金援助についてです。先方からすれば、受け入れ態勢を整えるために、滞在時期を確定させなくてはなりません。また一般的に、先方の費用負担は発生しないと思いますが、念のため先方の費用負担はない旨伝えておいたほうが親切です。
加えて、受け入れ先に受け入れ承諾書を発行してもらいます。これは次のビザ申請で使います。フォーマットは特にないと思いますが、見本になるものを先方に送りそれを元に作成してもらうほうがスムーズです。受け入れ期間のレターヘッドが付いたものがいいでしょう。
受け入れ先がまだ確定していない場合、受け入れ先を探さなくてはなりません。前もって計画的に、国際学会などで知り合って「仮の話」として相談をするという手もありますし(なかなか難しいと思いますが)、知り合いの方につないで頂くということも可能と思います。私の場合、後者でした。12月に採択の後、決まったのが3月でしたから、こちらもできるだけ早めに動くに越したことはありません。
英語のメールでやりとりが続くと思います。語学が堪能な方はいいですが、私のように何かと怪しい場合、先方との意思疎通に齟齬が起きないよう、チェックをしてもらうほうがいいでしょう。
■ビザ申請
米国に客員研究員として赴任するなら「交流訪問者ビザ(Jビザ)」、博士課程入学など学生として留学するなら「学生ビザ(Fビザ)」を申請します。必要書類などについては以下を参考にして下さい。それぞれ所定のフォーマットがあり、同じく用意されているチェックリストを元に準備をします。
Jビザの説明:交流訪問者
http://tokyo.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-niv-j.html
ビザ発行にあたり、事前に米国のCIES(Council of International Exchange of Scholars)などの政府機関から発行された、DS-2019と呼ばれる書類が必要です。書類が準備できたら面接です。警戒物々しい米国大使館(東京・赤坂)に出向きます(要予約)。家族で渡航する場合、家族も面接を受けます。面接とはいっても、どこかの部屋に案内されるのではなく、窓口で簡単な質問をされるだけで、少し拍子抜けですが。
DS-2019の発行や大使館での面接は、フルブライト事務局のようなFundingをしてくれる機関から助言があります。こちらでも情報を持っておくことも大事ですが、慣れている方々の指示に従って粛々と進めるのがいいかと思います。蛇足ですが、パスポートの有効期限も確認して下さい。
私の場合、この作業を2009年4月から6月の間に行いました。
またこれは出国後になりますが、DS-2019に「Travel Validation(旅行証のようなもの」をもらうのを忘れないようにして下さい。これは書類内に所定欄がありCIESにサインをもらうことで、渡航中に国外を行き来する許可が下ります。これがないと滞在期間中、国外に出たときに再入国ができなくなります。出る際にはDS-2019は必要ありませんので、下手をすると気がつきません。実際にこのことを知らず、米国の入国審査で止められた方の話を聞きました。
病気やけがなど急な用事で帰国することもあるでしょうから、渡航後にすぐ手続きを進めた方が安心です。この処理は渡航後、CIESにメールか電話で依頼をしてから、ワシントンDCにあるCIESにDS-2019を送れば、サインをして戻してくれます。送るときにはFedExなど配達証明のついた封書で送ったほうが無難です。
2009/11/03
At Cal: ワシントンDCにて
先週末からワシントンDCに滞在している。Fulbright Associationの年会に参加することが目的で、フルブライトOBによるシンポジウムやパネルディスカッションを聴いた。学問のためというよりは、いまフルブライターを経て活躍している人々の興味対象は何なのか、ということに関心があり出席した。開催場所がワシントンDCということで、渡航中に一度出かけたいという理由もありつつ。
出席してみて、この年会は議論の場というよりは、フルブライターOB同士の情報交換会(または、知識のアップデートの機会)の色合いが強いことが分かった。正直少し期待はずれだったが、いま彼らのイシューになっていることを知ることはできた。目立ったテーマは、国内問題だと不況からの脱出や健康保険の是非、国外だとエネルギーと環境問題や、開発援助の新手法、などなど。
学会の合間を縫って、スミソニアン博物館を回る。嫁さんは美術館を満喫したようだが、私は航空博物館を回るのが精一杯で、美術館は少し立ち寄っただけ。残念。
実は滞在中、ホテルの部屋に小額チップを置いていたのだが、ある日1ドル札が手元になくて、硬貨で置いて出かけたところ、帰ってきたら部屋が大変なことになっていた。残念なことに、私も嫁さんもチップを硬貨で残してはいけない(サービスが悪い、という意味になる)ということを知らなかったのだった。外国人なんだから、多少大目に見てくれよ…という気がしないでもなかったが、「郷に入りては郷に従え」、である。
米国に住んでいると、なんだか自分が世界の中心にいる気になってしまうのだが、その中心に元々住んでいる人たちからすると、そこは自分たちが生まれ育ってきたローカルな世界に過ぎない。いわゆる「外圧」が働きにくいせいか、その世界はグローバル世界の最先端というよりは、チップ文化が残っていたり単位もftやozを使い続けていたりと、変わらない部分を持っていたりもする。
私は米国に寄り添ってアメリカナイズされるつもりも、日本のしきたりが一番と思い込むつもりもないが、そうなると立ち位置がいささか怪しくなってくる。全てを相対化してしまうと何も言えなくなってしまうので、そうなると事象ごとに「これはこう思う」「こうすべきだと考える」と、個別に定義しなくてはならない。たびたび外国人としてそういう質問をされるわけで、米国に住むということは、そんな再考を四六時中求めらるような経験でもある。貴重ではあるが、なかなかに大変である。
出席してみて、この年会は議論の場というよりは、フルブライターOB同士の情報交換会(または、知識のアップデートの機会)の色合いが強いことが分かった。正直少し期待はずれだったが、いま彼らのイシューになっていることを知ることはできた。目立ったテーマは、国内問題だと不況からの脱出や健康保険の是非、国外だとエネルギーと環境問題や、開発援助の新手法、などなど。
学会の合間を縫って、スミソニアン博物館を回る。嫁さんは美術館を満喫したようだが、私は航空博物館を回るのが精一杯で、美術館は少し立ち寄っただけ。残念。
実は滞在中、ホテルの部屋に小額チップを置いていたのだが、ある日1ドル札が手元になくて、硬貨で置いて出かけたところ、帰ってきたら部屋が大変なことになっていた。残念なことに、私も嫁さんもチップを硬貨で残してはいけない(サービスが悪い、という意味になる)ということを知らなかったのだった。外国人なんだから、多少大目に見てくれよ…という気がしないでもなかったが、「郷に入りては郷に従え」、である。
米国に住んでいると、なんだか自分が世界の中心にいる気になってしまうのだが、その中心に元々住んでいる人たちからすると、そこは自分たちが生まれ育ってきたローカルな世界に過ぎない。いわゆる「外圧」が働きにくいせいか、その世界はグローバル世界の最先端というよりは、チップ文化が残っていたり単位もftやozを使い続けていたりと、変わらない部分を持っていたりもする。
私は米国に寄り添ってアメリカナイズされるつもりも、日本のしきたりが一番と思い込むつもりもないが、そうなると立ち位置がいささか怪しくなってくる。全てを相対化してしまうと何も言えなくなってしまうので、そうなると事象ごとに「これはこう思う」「こうすべきだと考える」と、個別に定義しなくてはならない。たびたび外国人としてそういう質問をされるわけで、米国に住むということは、そんな再考を四六時中求めらるような経験でもある。貴重ではあるが、なかなかに大変である。
海外研究へ向けて: 奨学金を得る
これからは近況報告も挟みながら、少しずつ「海外研究に向けて」として私が経験したことを書き残すことにします。私自身、まだその途上にありますので不十分な情報かもしれませんが、少なくとも準備についてはある程度のことが伝えられると考えています。
もし不足な点、間違っていると思われる点などありましたら、連絡を頂けますと助かります。また、この内容は私の限られた経験に基づくものであり、その内容の正確性を保証するものではありません。ご理解いただきますよう、よろしくお願いします。
---
海外研究を目指すにあたって、まず取りかかることとして思い浮かぶのは、奨学金の取得でしょうか。私費留学が叶わない場合、何らかの援助を受けることになりますが、これにはいくつか種類がありますので、目的に応じて選ぶことになります。
奨学金には、日本学術振興会の海外特別研究員のような公的なものから、民間のグラントまで様々あります。私自身調べてみて、これほど海外向けのグラントがあるのかと驚いた記憶があります。その中から私が選んだのはフルブライト奨学金でした。フルブライト奨学金はビザ取得のサポートや現地での交流会など、渡航前後のサポートが大変充実している反面、渡航先が米国に限られてしまうこと、研究が日米両国の交流・発展に寄与するものであることなど、制限もありますから、目的に応じて選ぶ必要があります。
海外特別研究員−日本学術振興会
http://www.jsps.go.jp/j-ab/ab_boshu_f.htm
日米教育委員会 フルブライト奨学金について
http://fulbright.jp/grant/index.html
奨学金の募集は、渡航期間から一年以上前から始まるものもあります。私の場合、最初のWeb申請が2008年5月提出、書類選考が7月提出、面接が11月で結果送付(採択決定)が12月、渡航が2009年の8月からでした。募集要項の取り寄せはその前から始めていましたから、渡航希望年度の前々年度末から動き始めていたことになります。
奨学金を得ただけで渡航できるわけではなく、奨学金によってはTOEICなどの受験や、職場内での調整などの下準備もいくつかあると思いますから、できるだけ早く動き始めるに越したことはないと思われます。
もし不足な点、間違っていると思われる点などありましたら、連絡を頂けますと助かります。また、この内容は私の限られた経験に基づくものであり、その内容の正確性を保証するものではありません。ご理解いただきますよう、よろしくお願いします。
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海外研究を目指すにあたって、まず取りかかることとして思い浮かぶのは、奨学金の取得でしょうか。私費留学が叶わない場合、何らかの援助を受けることになりますが、これにはいくつか種類がありますので、目的に応じて選ぶことになります。
奨学金には、日本学術振興会の海外特別研究員のような公的なものから、民間のグラントまで様々あります。私自身調べてみて、これほど海外向けのグラントがあるのかと驚いた記憶があります。その中から私が選んだのはフルブライト奨学金でした。フルブライト奨学金はビザ取得のサポートや現地での交流会など、渡航前後のサポートが大変充実している反面、渡航先が米国に限られてしまうこと、研究が日米両国の交流・発展に寄与するものであることなど、制限もありますから、目的に応じて選ぶ必要があります。
海外特別研究員−日本学術振興会
http://www.jsps.go.jp/j-ab/ab_boshu_f.htm
日米教育委員会 フルブライト奨学金について
http://fulbright.jp/grant/index.html
奨学金の募集は、渡航期間から一年以上前から始まるものもあります。私の場合、最初のWeb申請が2008年5月提出、書類選考が7月提出、面接が11月で結果送付(採択決定)が12月、渡航が2009年の8月からでした。募集要項の取り寄せはその前から始めていましたから、渡航希望年度の前々年度末から動き始めていたことになります。
奨学金を得ただけで渡航できるわけではなく、奨学金によってはTOEICなどの受験や、職場内での調整などの下準備もいくつかあると思いますから、できるだけ早く動き始めるに越したことはないと思われます。
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