2008/12/12

3つの読書

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最近ハマっている本。元NASAフライトディレクター、ジーン・クランツの"Failure is not an option"です。
あのRIGHT STAFFからアポロ計画に至るまでのアメリカ宇宙計画を支えた、知る人ぞ知る名管制官。オーランド出張でちゃっかりNASA宇宙センターに立ち寄り仕入れてきました。。

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私の業界では、「本を読むのが仕事です」とたびたび言われます。
その通り、気づけば私の仕事場も本に囲まれています。元々スペースがそんなに広くないこともありますが、本棚には前後二重に本が並べられ、机の周りにも数本、本のビルが立ってます。

皆さんもそれぞれ、自分にあった本読みをされていると思います。
私は常日頃から、読書には3種類あると考え、目的にあった読み方を実践しています。

��つめは「知る読書」。
世間や研究の動向、学んでおきたい理論など、情報収集にとどまらず、考えるヒントを得るための本読み。著者や理論家の思考経路を想像しつつ、ささっと(実際は時間がかかりますが…)読んで理解することが目的です。概要や気になったポイントをメモに残して終わります。

��つめは「引く読書」。
研究の過程で見ておくべき先行研究、また自分の中に「もやもやっ」とある思考を言葉にしてくれている本が時としてあります。ロジックの組み立てと整理のため、運良くこういう本に出会ったときは、その場で引用元・引用文を残します。

��つめは「味わう読書」。
意図して、時に予期せず、手放せない本に出逢うことがあります。
語られた思想、リズムのいい文体、忘れ得ないフレーズを持った本。
そうなるとその本たちは何度も繰り返し読まれ、カバーはいつの間にかなくなり、表紙もボロボロに。これらは大抵何の役にも立たない本で(笑)、ちょっとしたエッセイや小説など、端から見れば娯楽の域を出ないものです。ですがこういう本たちにこれまで何度、救われてきたことでしょう。

それら貴重な数冊は、やがて本棚を離れ引き出しにしまい込まれ、事あるごとにこっそり引っ張りだされ読み返される、私にとってはなくてはならない存在となります。
…本当に好きなものは、こっそり隠しておく主義なもので。

2008/12/03

「ことわざ」って、最近使います?

ここ最近、NHK総合テレビ「カンゴロンゴ」を見ています。
この枠では毎回、かの有名な「サラリーマンNEO」など、NHKらしからぬ?番組を放送していますね。

NHK 世直しバラエティー「カンゴロンゴ」
http://www.nhk.or.jp/kango/

この番組では毎週、現代社会の様々な問題を、三つの「お言葉」と呼ぶ格言を使って捉え、その解決法を示そうとしています。
先週の「お言葉」は、「人間至る所青山あり」。文字どおり人と人の間、人間の織りなす「世の中」にこそ美しい青い山、すなわち希望がある。だからこそ世の中に簡単に絶望してはいけない、人とのつながりを大切にしないとね、というメッセージでした(最後は少し拡大解釈ですが)。

…そう言われると、なるほどそうだよねぇ、なんて私はすぐさま思ってしまうのです。根が単純なもので(笑)

しかしここ最近、日常での「格言」や「ことわざ」の登場回数って、すっかり減っているように思えるのは気のせいでしょうか?
そういうありがたい「お言葉」を説いてみたところで、万一、そんなの昔の人のいったことなんて今通用するのかよと、じゃぁそんな実例や証拠を出してくれよと、言い返された時に果たして太刀打ちできるだろうか、と不安になってしまうのです。

一昔前は、そういう「先人の格言」なるものにもっと重みがあったように思いますが、世の流れが早くなりすぎたのか、何か大事な積み重ねを忘れているのか、そんな疑問を抱きつつ、毎週日曜の晩を楽しみに過ごしているここ最近です。

「一言」持てるように歳をとりたいなぁと思いながらも、そんな「年寄り」は嫌われるに違いない…と思って自制しているようでは、何かを残せる大人にはなれないのかもしれませんね。