2008/07/23

携帯フィルタリング

私は仕事柄、携帯電話の教育利用における現状を追うようにしていますが、ここ数ヶ月、携帯電話から特定のサイトへフィルタリングをする規制についての議論が進んでいます。

■MSN産経ニュース:小中生の携帯使用制限へ 懇談会、第1次報告を首相へ提出(2008/5/26)
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080526/edc0805261938001-n1.htm

この会議では、コミュニティサイトなどを中心に携帯電話からのアクセスを制限するフィルタリングに留まらず、一定年齢以下では携帯を所持させないようにする規制も視野に入れています。
また総務省の方針によれば、サイトの「悪質さ」を国やキャリアが個別に判断するのではなく、民間の第三者機関により審査する方式も取り入れられるようです。

■マイコミジャーナル:有害な携帯サイトとは? 第三者機関「EMA」が審査基準発表(2008/7/1)
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/07/01/043/

一方、フィルタリングには、悪質と判断されたサイトへのアクセスを制限する「ブラックリスト方式」と、公式サイトなど特定のサイトのみアクセスを許す「ホワイトリスト方式」の二種類があります。
かつてはホワイトリスト方式によるフィルタリングも採られましたが、こちらも総務省の方針により、「有害サイト」に絞りアクセス規制をするブラックリスト方式に移行しそうです(現時点でホワイトリスト方式を保っているのはauのみ)。

■教育情報ポータルサイト:NTTドコモ フィルタリングサービスを「ブラックリスト」方式に変更
http://eduon.jp/news/juku/20080717-000351.html?utm_source=RSS_NEWS&utm_medium=RSS&utm_content=URL


携帯電話の教育利用を考えるにあたり、懸案となりそうなのはコミュニティサイトの規制です。
現状、掲示板・SNS機能を持ったサイトは、ユーザが様々な情報発信ができる特性上、多くの場合「有害サイト」と指定されアクセスが制限されます。
これを回避するためには、各キャリアへそれぞれ決められたフォーマットや手順に従い文書を作り、公式サイトまたは「有害な」サイトでない旨の申請をする必要があります。

高等教育においては現状大きな問題となりませんが、さらに下の年層も視野に入れたいサービス(「東大ナビ」も実は含まれます)を進めるには避けて通れない課題になりそうです。