2008/03/23

母校から見た大学



昨日、十数年ぶりに母校を訪ねました。
とあるプロジェクトの事前調査のため、高校の先生方にヒアリングへご協力頂きました。
久しぶりに社会の先生になった同期生や、当時の担任の先生にお会いし、感激しました。

年度末の大変お忙しい中にご協力頂いた先生方、本当にありがとうございました。

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ヒアリングの中で、先生方がしきりに訴えておられたのは、「今の中高生には夢がない」ことでした。この学校には寮があり様々な地域からやってきますが、特に地方出身者にその傾向が強いそうです。
教師が「将来大学でどんなことしたい?」と尋ねても、「医者になりたい」「資格を取りたい」の一点張り。理由は明白で、将来確実な収入や社会的地位を得ることが彼らの念頭にあるからです。

大学でどんな学問に触れ、研究の面白さや学びの楽しさを得るかは二の次。それよりも、大学を「通過」した先の就職や資格、人生設計が関心の先に立つ、これが現実でした。

衝撃でした。

その理由として、一人の先生のコメントが印象的でした。
「都会の子どもには、両親や親戚に様々な職業に就いて活躍している人がいる。東京には医者と比類しうる様々な仕事もある。だが地方にはその『多様性』がない。そのためどうしても視野が狭まってしまう」

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母校訪問で、子どもにまで及んだ地方のいま、それを知り得ない都会を見ました。
地方から見れば、大学はキャリアパスの通過点でしかないという現実。

マクロな構造的問題から見れば微力かもしれませんが、高等教育機関ならではの取り組みを通じて、せめて「風穴」を開けなければ。そう強く感じました。