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オープンエデュケーション

先週末、東京大学にてBEAT公開研究会「オープンエデュケーションが切り開く未来」に出席しました。

東京大学大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)
公開研究会「オープンエデュケーションが切り開く未来」

http://blog.beatiii.jp/information/post_7.html

研究会では、MIT OpenCourseWareや未来のオープンエデュケーションに関わる方々の講演会や、参加者との質疑応答が行われました(詳細は上記サイトをご覧下さい)。


普段OpenCourseWareの運営に関わる身として日頃より感じているのは、
「なぜ大学教育をオープンにするのか」という問いです。
広報、説明責任、社会的責務…などいくつか普段より考えてきましたが、今回の研究会でハタと気づきました。

MITでは、授業を公開することが「外向き」の成果と同時に、内容が豊富、また教え方の上手なレクチャーから、他の講師や生徒が学ぶ「内向き」の成果が出始めているそうです。
これまでは(全てとは言いませんが)教育リソースが公開されていること自体が一つの成果とみなされていました。
このことは、公開された教育リソースそのものが、他の教授活動・学習活動そのものに影響を与え始めた端緒なのかもしれません。


同じような「オープン」にすることで成果を上げている分野に、LinuxやSourceForge等に代表されるオープンソースの世界があります。
ここでの「開かれている」メリットは、利用者が拡大することでより多くのフィードバックが得られたり、開発に多くの人が参画し、ソフトウェアのバグフィックスや機能追加がスピードアップすることがあります。

これをオープンエデュケーションに置き換えて考えると、教育リソースがオープンになることで、それらが「見本」となりうるスタティックなものから、利用者により動的に変化していく過程だともいえます。


もし教育リソースが「オープンソース」になる日がくるとしたら、、
そんな大変革は、案外すぐそこまできているのかもしれません。


東京には夕立がない?

毎日暑い日が続きますね。たまらんです。

東京に来てから不思議に思うことがあって、夕立があまり発生しないんです。
昨年まで住んでいた大阪や、学生時代によく出かけた岐阜や名古屋では、暑い夏の日には夕方になるとたびたび夕立が発生し、涼しい思いをしていた気がします。
今年の夏だけの現象なのでしょうか、夕方になっても雨が降らず暑い!と一人愚痴っています。

東京は大阪と比べ夕立が少ないのでは?…といろいろ調べてみましたが、実証的なデータに当たりません。
しかしいくつか面白い論文に当たりました。


CiNii 長野県小布施町における市街地と郊外の水蒸気圧差の特徴---榊原 保志
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001814410/

��都市部と郊外を比較して、昼間に湿度の差が大きいとの論


確かに市街地と郊外では、樹木など植生の差が大きいですからね。
東京は都市部の面積が広いから尚更でしょう。
また夕立も、東京は山が遠いので、午後に海風が入ってきても、積乱雲発生のトリガーにもなる山に届くころにはすっかりカラカラになり、雲が発生しにくそうです。

また湿度の差が原因でしょうか、東京は日陰に入れば暑さがしのげるように思います。
大阪のほうが蒸し暑く、外だとどこに居ても蒸しているような。


一方東京も湿度が上がっているとの研究も…

CiNii 東京都心における高温日の湿度の経年変化---藤部 文昭
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001814566/

��東京都心はここ40年間で湿度が数%上昇しており、冷房による水蒸気排出を原因だとする論


猛暑の日のデータを比較していますから、空調の影響は大きそうですね。

地球温暖化だ気象変動だと巷で色々な事が言われていますが、こういう地道な実証データに基づいた研究がされているのは素晴らしいですね。
「噂」で動向が左右されやすい教育分野でも、見習いたい姿勢です。



おしゃれな大学

イメージ
大学の工事現場に、最近おしゃれな壁ができました。




これは「Thinking Forest」という、情報学環の教員・学生が中心となったプロジェクトの一環だそうです。
来年初頭にできる福武ホールの工事現場を取り囲む、ごく普通の壁をキャンパスにしています。

Thinking Forest
http://thinkingforest.info/

近づいてみると…


森の中にキーワードが。これも教員・学生からアンケートで集めた研究分野のキーワードを、クラスタリングして表示、教員や学生は自分の分野に近い場所に鳥や動物のシールを張って楽しみます。

私も貼りました。学問領域を鳥瞰しつつ、自分にタグ付けをする感覚で面白かったです。
知らないキーワードが意外とあるもんですね。特に多領域には。
タコツボにはまらないように気をつけねば。


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しかし想像をはるかに越え、やってきた東京大学はおしゃれでした。
こんなプロジェクトというか発想はちょっとないですよ、以前にいたところでは…。

機会があって事務の人々に聞いてみた所、ここ2、3年で大分変わったとのこと。
法人化の影響もあって、学内でもいろいろ考えて取り組んでおられるようです。
凄いですね。

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一方私も、学内で冬学期からちょっと面白い仕掛けを始めようと画策しています。
先週からひたすら学内を這いずり回って、営業活動を続けています。
ちょっとこれまでの大学にはない、学生の皆さんと触れ合える(というか触れてほしい!)変わった企画になりそうです。乞うご期待を。

カンブリア宮殿SP 市場価値を高めよう!って難しい。

まずは近況から。

私の所属する東京大学教育企画室が主催した「2007 TREEワークショップ&シンポジウム」が無事終了しました。

私は午前のワークショップで、仕事である教育コンテンツ開発の説明を担当。
ワークショップは著作権がメインでしたが、一部の来場者の方々にはコンテンツ開発の話にも興味を持って頂け意見交換もでき、個人的にも有意義でした。
ご参加頂いた方々に、この場を借りて御礼申し上げます。

コンテンツ開発は、機材配備、作業の定型化、スタッフのスキル、の三拍子揃うまでが大変です。私の「部屋」もこれに数ヶ月費やしました。
加えて当然人の入れ替わりもある訳で、中での教育体制も大事です。私も常に悩んでおります。


さて、毎週必ず録画している「カンブリア宮殿」(東大総長も先日出演されました)が、今週は「社長の金言大賞」スペシャルで、これまで出演された方々の発言より視聴者投票から10の金言をノミネートし、大賞を選ぶ企画でした。

結局大賞には、堀場製作所創業者の堀場雅夫氏の「イヤならやめろ」が選ばれました。
これは村上龍氏も「金言の本意は一言に集約されず」とコラムでコメントしていましたが、「金言」は聞き手の視点で切り取り消化(昇華!?)しやすいものが珍重されがちです。

「イヤならやめろ」の人気には、本来の話し手が込めた意味よりも、
「無理せずに楽しく笑顔で生きようよ!(…恥ずかしい台詞だ)」
みたいな、聞き手の取り違いが効いてしまっている印象もあります。
私はむしろ「石の上にも三年」が好きな人間ですので。ま、基本的にマゾなんで。


今回ノミネートの中での私のお気に入りは、ソニー元CEO 出井伸之氏の「自分の市場価値を考えよ」でした。

自分がどれだけ人様のお役に立てるか、秀でて役立つ何かを持っているか。
好きなことに邁進するだけでなく「周りを見て走る」といいますか、自分を客観的に見て、人にはない得意分野を育てる努力をしなくてはなりません。これが結構大変です。

優れた人が周りにいると、思わず「猿真似」をしたくなります。しかし同じタイプの人が複数いても仕方がないし、その人の「フェイク」にしかなり得ない可能性もある訳で…。
それよりも、補完し合うキャラ同士助け合う方が、物事がスムーズに進むのでは?というのが、私の基本的なスタンスです。